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  • 執筆者の写真勝哉エイミカ。

『知絵と勝哉の週末ミッドナイト読書会キャス』第4回! テーマ本『妖琦庵夜話 その探偵、人にあらず』


知絵と勝哉の週末ミッドナイト読書会キャス、第4回め!


テーマ本は『妖琦庵夜話 その探偵、人にあらず』

選書担当者は知絵さんです!


2020年、令和2年、初の読書会キャス!

新年早々忙しさに悩殺されそうになりつつも、気張って元気に楽しく、今年も読書会キャスしていきたいです笑


というわけで、早速、今回のテーマ本のあらすじ&感想としゃれこみましょうかね。

今年もまた、雑談だらけの読書会をよろしくお願い致しますね笑



【あらすじ(※事前公開あらすじと重複)】

突如、発見された『妖怪』のDNA。

それをきっかけに、人類は二つの人種に別れてしまう。


今まで『人類』と称されて来た人々である『人間』、

そして、妖怪の持つDNA――『妖人』。


新たな人種の誕生に、世の中は彼らの為の法を作り始める。


お茶室『妖琦庵』の主『洗足伊織』は、明晰な頭脳を持つ隻眼の美青年だが、口が悪くひねくれ気味。しかし、人間と妖人を見分ける力を持っている為、その力を警察から頼られている。


そうして今日も警視庁妖人対策本部、略して『Y対』から一つの事件が彼の下に持ちこまれる。


『アブラトリ』という妖怪が絡む、女子大生殺人事件。


Y対新人刑事『脇坂』が持ちこんだこの事件。その先に待つ、驚きの真相とは……。





【感想(※微ネタバレあり)】


まず初めに、今回の読書会テーマ本を選出したのは知絵さんの方だったのですが、テーマ本として指定された時、「あらこんなところで出会うとは」と驚いた記憶があります。


それというのも私、『榎田ユウリ』先生の作品で実は好きなシリーズものがありまして。それを通じて作品タイトルだけは知っていたのです。そのシリーズそのものは『青春、部活もの』なので、今回の本のジャンルとは全く違うものではありましたが、違うからこそ逆にどんな風に書きの違いが現れているのか、という点ではアマチュアながらも一人の物書きとして気になったため、読む前からわワクワクのドッキドキ★が止まりませんでした笑


結論。とにかく設定がやばい。


本書物のタイトルは『妖琦庵夜話』。あらすじにも『妖怪』という言葉が出てきますし、妖怪を扱ったホラーミステリー系かな? と思ったのですが、設定はそんな私の稚拙な発想の斜め上を行っていました。



――「妖怪はあくまで『伝承』で『言い伝え』え『架空のもの』なんです。つまり非現実。反して、妖人は昔からいた。妖人という名前がついていなかっただけで、人間の亜種として、存在していた。こっちは現実」――

【本編引用】


こちらの台詞は、洗足伊織がY対新人刑事の脇坂に妖人と妖怪の違いについて説明をした時の台詞です。

洗足によると、妖怪と妖人というのは別々の存在であり、妖人が持つDNAは別に妖怪そのものと関係してるわけではない、ただあえてその特性を説明する際に『妖怪』が使用されているだけであって、本物の妖怪とはまた別物だというのです。


実際、本編内でよく言われる『妖人DNA(あらすじで言うところの『妖怪のDNA』ですね)』は、『ヒト変異型遺伝子』という正式名があり、妖人にも『ヒト変異型遺伝子保有者』という呼び名が存在しています。ですが、その特性が妖怪と似ていること、各保有者に『属性』と呼ばれる妖怪をモデルにその特性に呼び名がつけられる現象があるが故に、『妖人』としての名の方が目立ってしまい、世間からはそう認知されている、といった感じが見受けられます。


もうこの時点で設定が凄いのですが……、この小説の恐ろしいところは、そんな設定を『世間』という大きな世界を舞台に扱っているところです。


私がはまった青春・部活もののシリーズは舞台が学校なわけですから、最終的には狭い学校内で収まる話となります。

ですが、このシリーズはこんなにも細かな設定を持った上で、世間という大きく無限に広がる場所を舞台とし、『妖人』という現象から巻き起こる社会的現象、そしてそこから発展する事件など、そういった様がリアルに描かれ、どこまでも広い世界の全てにこの『妖人』という設定が深く息づけさせているのです。


何より、恐ろしいのは、これがあくまで『妖人』という設定以外は全て『現代』という点。『妖人』というファンタジー設定はあるかもしれませんが、残りの設定は全て現実的なもので、ファンタジーさは欠片もありません。どこまでも現実的にファンタジーを書く――……、というと、なんだか矛盾なある文面のようにも感じられますが、でもあえて表現するのであれば、正しくそういった作品となっているのです!



文章の重たさも、青春・学園ものの時とは違う空気や密度があって、落差の激しさに最早胸キュンです。このアマチュア物書きの性癖に刺さるものがありました……。くっ、作者沼が近寄ってくる足音が聞こえる……!


と、そんな感じで、文章による感想はこんなところで。

あとは今晩開催予定の読書会キャスにてお話させて頂ければと思います。


お時間等は下記にて記させて頂きますので、お時間がありましたらぜひお遊びにきてくださいな。



【知絵と勝哉の週末ミッドナイト読書会キャス、第4回め】


・放送日:令和2年1月25日(土)

・放送時間:22時~22時30分

     (時間に関してはひとまずの目安です。

      どれくらいのキャスをやるかは、当日の流れによって変わる場合が

      あるかもしれませんのでご了承ください)

・テーマ本:榎田ユウリ『妖琦庵夜話 その探偵、人にあらず』(選書担当:知絵)









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