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  • 執筆者の写真勝哉エイミカ。

『知絵と勝哉の週末ミッドナイト読書会キャス』第2回! テーマ:『和菓子のアン』

今回は、『坂木 司』さんの『和菓子のアン』をテーマにキャスを進めていきます。

ということで、毎回恒例のあらすじ&感想です!



【あらすじ(※事前公開あらすじと重複)】


 梅本杏子は、食べることが大好きな十八歳。

 ちょっぴり太めな体格はコンプレックスだけど、それでも食べる事はやめられない!


 そんな彼女は現在、ニート生活中。

 実は高校を卒業したものの「ピンとくるなにか」がないために大学へ進学はせず、けれどかといっていきなり就職というのもどうかな? と思ってしまい、就職もせず、そのままダラダラとしていたのだ。


 が、さすがに二カ月もの月日をニートしていたら焦りが出てくる。


 ついに重たい体を持ち上げ(体重的な意味じゃないんだからね⁉)、杏子はバイトをしようと決意!

 

 けれど、そのバイト先では予想外の展開ばかりが待ち受けていて……。


 デパ地下の和菓子店『みつ屋』を舞台に、個性豊か過ぎるメンバー達と杏子がくりひろげる、和菓子×ライトミステリー


 深い歴史と先人達の楽しい技術から生まれゆく、美味しい和菓子ミステリー小説はいかがですか?



【感想(微ネタバレ注意)】


 最初にこの本のタイトルを見て思った事は「これ、もしや赤毛のアンパロか……!?」というものでした。


 だって『和菓子のアン』ですよ!? 『○○のアン』って、もう語呂からして『赤毛のアン』でしょう!?


 でも赤毛のアンは海外児童文学。対してこちらは『和菓子』。


 しかも『和菓子ライトミステリー』。まったくパロディの要素は感じられません。なに!? どゆこと!? と混乱の嵐でした。


 結果、いい意味で裏切られました


 正直『赤毛のアン』まったく関係ありませんでしたね……(まぁ主人公が、杏子であだ名が『アン』『あんちゃん』ってところは、日本風パロって感じがしました。主人公が自分の外見にコンプレックスを抱いてる面も、見ようによっては『赤毛のアン』パロな感じもしますが……)。

 完全なる早とちりでした。


 ですが、代わりに詰まっていたのは想像を超える斜め上の個性をもつ登場人物達


 仕事の丁寧さと優しさのレベルは聖母なみ! だけど、とんでもない趣味をもつ店長さん!?

 かわいさレベルと親しみやすさはMax! だけど昔はヤンキーな可愛い先輩バイト店員さん!?

 さらには身長縦長クールイケメン男性店員、だけど中身はただの乙女なオトメン店員!?


 などなど、他にもたくさん個性豊か、バラエティーにとよんだ登場人物達がストーリーを彩っています。


 まるで日々老若男女様々な人々が行き交い、様々な商品の売り買いを繰り広げる『デパート』という空間そのもののようです! 色とりどりよりどりみどり、つきる事もあせ消えることもない個性豊かな登場人物達に目が奪われます!


そしてやはりこの本の話をする上で語らずして終わるわけにはいかないのが、『和菓子ミステリー』という存在。


『和菓子』というお菓子を中心に繰り広げられる数々のミステリー。

 和菓子にまつわる歴史が関係しているものから、和菓子という業界ならではの常識や用語といったものが巻き起こす謎や事件解決まで、実にさまざまな形の和菓子ミステリーで溢れています。


 けれどその謎のどれもが、紐解いた先に見えるのは『誰かの人生』なのです。


 小説本文でもチラリと語られていますが、もともと和菓子とは、古来より、私達日本人の傍にずっとあったお菓子達

 季節感を大事にした上品なお菓子から、庶民的な饅頭やどら焼きなどといったお菓子まで、どんな形でも傍に居続けたお菓子達で、いわば日本人の傍でずっと共に長い歴史をつむいできたものの一つなのです。


 つまり和菓子というのは、日本人の生活の中において、実は切っても切り離せない縁をもったお菓子なのです。

 そんなお菓子が題材だからこそ、その謎の先に誰かの人生が繋がっているのです。


 さらに今小説の舞台は『デパート』。

 老舗だとか、有名和菓子店の工房だとかそういった場所ではなく、どんな人達でも簡単に足を踏み入れ、簡単に品物に手を伸ばせる、とっても馴染みある日常的な場所なのです。


そんな身近な場所でやっている和菓子店が舞台だからこそ、きっとさらにこの『人生』の部分がとても色濃く描き出されているように感じられるのでしょう。


 単なる和菓子を使ったミステリーとしてだけではなく、日常的な人と人との生活の中で生まれる出来事によりそうようにして起こる『和菓子ミステリー』


 思わず仕事帰りといった日常的な中で、自分でも和菓子を買いたくなっちゃう、そんな一冊でした!


 ということで、文字語りは以上!

 30分後、放送予定のキャスでお会いしましょう!(笑)


【知絵と勝哉の週末ミッドナイト読書会キャス、第2回め詳細】


・放送日:令和元年11月30日(土)

・放送時間:22時~22時30分

     (時間に関してはひとまずの目安です。

      どれくらいのキャスをやるかは、当日の流れによって変わる場合が

      あるかもしれませんのでご了承ください)

・テーマ本:坂木 司『和菓子のアン』(選書担当:知絵)


雑談8割がたの気楽な読書会キャス! 

ぜひぜひ、起こしやってくださいませ~(笑)



勝哉エイミカ。




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